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らはいむ

ペット走馬灯

走馬灯のごときペット歴を、そこはかとなく、綴ってみる。

手始めにインコ。黄緑。エサのハコベを、よく摘みにいった。インコが食べるのが、おいしそうだったので、採集中つい口にしてみた。まずかった。そのインコ、かなり長く家にいた気がするが、最終的にどうなったか、実はあまり記憶がない。たぶん猫に取られたと思う。

家に帰ると、台所にたらいがあって中に鯉。わあ!これが新しいペット?エサ何かな?とわくわくしていた。次の日の朝食は、鯉の味噌汁。たらいには何もいない。・・・ば、ばあちゃん、先に言っといてくれ。心の準備が。さすがに口には出来なかった。泣いたと思う。大人が信じられなくなった朝。まあ、その後も普通に魚を食べて育ったけど。やっぱり矛盾とプチ・トラウマは抱きつづけていたんだろうな。今でも、このことをよく思い出す。

縁日で買ったひよこ。かわいくて、前日に読んだ昔話に出てきて気に入った名前、「わかごま」と名づけた。後で知ったが、「わかごま」は「若駒」で、馬の名称だった。まあいい。あまりにかわいくて、スケッチして、ご丁寧にも大きな字で「わかごま」と書き込んだ。ちなみに、私にスケッチの趣味はない。絵もへたくそ。何がそうまでさせたのか、未だにわからない。わかごまへの愛ゆえか。次の日猫に取られた。号泣。スケッチなんかするからだ。デ〇ノート?

次はウサギ。ウサギ小屋もばっちり。たしか茎を折ると白い液のでる草を食べていたと思う。近くに、よく採りにいった。採集中ミルクの味するかなと思って食べてみた。まずかった。食い意地がはっているのは子供の頃から。結局、小屋の網を千切られて、取られた。たぶん猫。それも2回。卵取っていたチャボも一緒に。

ついに天敵の猫が家にやってきた。といっても犯人と同一猫ではなく、生まれたばかりのシャム猫もどき。名前はハロー。見た目は可愛いが、性格は猫らしく、あまり可愛くない。うちは、飼っている猫に、きちんと避妊手術をするような、きちんとした家ではなかった。ペットに避妊手術をするかどうかの倫理的議論などは置いておく。この時点で明らかにしておくべきだったのだ。

ハローは雌で、どんどん子供を産んだ。シャムっぽいトムとジェリー、灰色のブーニン、三毛猫のミケランジェリ、真っ黒の与作・・・。このくらいしか思い出せない。とにかく増えた。生まれてすぐ亡くなってしまう子猫もいたし、人にあげた猫も多い。最終的にうちには10数匹の猫が棲息するようになった。ただでさえカオスで衛生状態もアヤシイ家なのに、更にものすごいことになった。ノミも出た。

それでも、一応は可愛がっていた、たぶん。死にかけてる子猫は必死に看病したし(結局ダメな場合がほとんどだったけど)一緒に遊んで、寝たりもした。

あ、でも一緒に寝るのはやめた。2度としない。

1度子猫の一匹と寝た。朝になったら冷たくなっていた。・・・。どうやら私の寝相が悪く圧迫して窒息死させたらしい。・・・。庭の一角に埋めて、その前で膝をついて慟哭。過剰で無意味で中途半端な愛は、対象を文字通り殺すと悟った小3の春。

猫カオス状態は、5年くらい続いた。いろいろ入れ替わりもあったけど。ある日、学校から帰ったら一匹もいなくなっていた。話によると、人にあげたらしい。・・・たぶん、どっかの山奥に捨てたんだ。最低。倫理的にも社会的にも。でも、その時は特に追及しなかった。弟も、何となくそう感じたらしかったけど、その時は沈黙していて、大人になってから、きっとそうだったんだよね。と少し話した。冷めたガキどもだった。

小3の春の例の事件の頃から、猫と距離を置いていたし、新しく生まれた子猫に名前くらいつけたのだろうけど、不思議と覚えていない。猫たちも、結構自由気ままに家を出入りしていたし。彼らも人様のお宅の、インコやひよこやウサギやチャボを失敬していたのかもしれない。なんてこと。

猫はもうたくさん。ペットも。きちんと面倒みれなくて、責任も取れないような家で、飼ってはいけない。

小6のとき、父という人が家にやってきた。その時始めた商売が、少し軌道に乗ってくると、父という人は、いろいろお金を使い始めた。ペットもその一つ。何やらペットショップで勧められるままに買ってしまうのらしい。父という人は、最初の3日間しか面倒をみない。うちは、ペットを飼えるような家庭ではないのだ。猫で、それは学習したんじゃなかったのか?

私はやってくるペットに、ほとんど関与しなかった。もう面倒くさいし、父という人も、別に私の意向を聞いて買ってくるわけでもないのだし、面倒をみる義理もない。

熱帯魚、アロアナ、そして犬。あるときは、当時流行っていたらしいオッドアイのシベリアンハスキー。またあるときは、何犬というのか、図体が異様にでかい犬。愛嬌はあるが不細工な顔だった。子供を噛んだらしい。でも薬殺されずに、遠くの親戚の家にもらわれて行ったのは幸いだった。シベリアンハスキーも暫くいたが、親戚にもらわれていった。この2匹は、いちおう親戚の証言もとれているので、山奥に捨てられたり、保健所行きになったわけでもなかったので、それだけは良かった。2匹のプードル犬。浮気相手に買ってやったというゴールデンレトリバー。その犬は見たことないが、請求書だけ家にやってきて修羅場のようだった。・・・もう勝手にしてくれ。



たくさんのペットが、家にやってきて、そしていなくなった。

気がついたら、父という人もいなくなっていた。



今、実家には2匹のプードル犬だけがいる。どちらもオスで、とても仲の悪い親子、トニーとチビ。トニーの主人は母、チビの主人は弟。私は、勿論、昔から面倒を見ていないので、彼らにとっての私は、主人どころか下僕以下。既にペットなどとお呼びできない。それでも、たまに実家に帰ると、覚えていてくれてはいるようで、まあ、嬉しい。私も彼らに思い入れがあるわけでもないのだが、もうかなりの老犬なので、生きてるかどうかくらいは、気になる。



せめて、この2匹だけは、家で天寿を全うしてくれればいいなと思っている。





(・・・ドーブツ「買ったり」「飼ったり」、そもそも「ペット」って言い方がイヤだよね。)



by ruthk | 2005-09-15 14:54 | かいそうろく

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